尿検査事件簿【後編】
前の記事☟
5月と言えど、その日は暑い日だった。
14時頃にツバを入れて密閉された容器を発見したのは19時頃。
およそ5時間の間になんらかの雑菌が繁殖していそう。
夫 「水で洗って使えるんじゃん?」
え、マジで?
いやいや、アウトでしょ。
変な雑菌あって再検査になるのもなぁ。
友達に聞いてみよっかなー
職場の看護師さんに聞いてみよっかなー
いや、自分で考えるんだ、私。
結局、次男には自分で今回の経緯を話して先生に謝罪して、新しい容器をもらえるか、予備日に提出することは可能かを聞いてくる必要があると冷静に説明した。
すると次男、やっと自分のやったことの重大さに気付いたのか、頭を抱えてうなだれた。

んあああああ…
声にもならないようなうめき声を出す。
両手をほっぺに当ててギュー!と押して、真っ赤な顔して涙目になり、じっと私を見てくる。
本人は絶望なんだろうけど、その顔がちょっとおもしろいことになってて、笑い堪えるの必死。お願いだからそんな顔でこれ以上見つめてこないで。
真剣に真剣顔の私(日本語おかしい)。
一部始終を見聞きしていた小5長男。
「お前ばっかアホじゃねーの!」とケラケラ笑いだす。
そして
「猫のたま(仮名)がいたずらしちゃったことにすれば?」
と悪知恵をつけようとする。
その言葉に一瞬キラリとした目をした次男。
私 「たまちゃん濡れ衣着せられてかわいそうに…」
とすかさず一言。
そして連絡帳に、容器を汚してしまった事実と謝罪とお願いと質問を。あとは次男から直接話しますのでよろしくお願いしますと書いた。
なんで汚れちゃったの?って先生に聞かれるかもしれない。
その時は猫のせいにするのか、他に適当な理由つけるのか、本当のことを正直に話すのか、自分で決めたらいいと伝えた。
どんな選択をしても本当に良いと思ってた。
もし嘘ついたとしても、今の次男が自分で選んだ答えだし、もしかしたら罪悪感が残るかもだけど、その経験から学ぶこともあるはずと思ったから。
寝る前次男が一言。
「明日学校行きたくない…」
ぼそっと呟いた。
まぁそうなるよね。ただ、ずっと泣き喚いたり、思ったよりもそこまでメソメソしたりしていない。
「そっか、学校に行きたくないと思っているんだね」
それだけ言っておやすみなさい。
次男の決断はいかに・・・
次の記事☟